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Social Mediaで知っておきたい5つのポイント 2011年7月29日加納亜子=日経メディカル

本誌連動◇Social Mediaでつながる医療 Vol.6

Q1 とりあえずソーシャルメディアを始めたい。何からすればよい?
A1 目的にあったサービスを選び、まずは気軽に登録して使ってみましょう。
 まずは医師もしくは個人として使いたいのか、何をしたいのかを決め、サービスを選びましょう(図14)。

 ケーススタディーで紹介したように、医師同士のコミュニケーションや、教育、疾患に関する患者への啓発など、様々な使い方があります。気軽に書き込み、自分の発言を多くの人に見てほしい場合はツイッターを、症例画像を使って学会のように症例検討をしたり、医師だけでなく色々な人と会話を楽しみたい場合はフェイスブック、匿名で自分の知り合いとだけやり取りするのであればミクシィというように、目的や機能によってサービスを選びます。その後、サービスの使い方についてまとめた市販の入門書などにざっと目を通し、ソーシャルメディアに書き込む方法や、コメントの仕方などの基本的な使い方やマナーを学ぶことをお勧めします。


図14 ソーシャルメディアを始める手順

 次に登録です。「新規登録をする」という旨が書かれたボタンを押し、医師として利用したい場合は、実名や所属機関などを記載した方がよいでしょう。ツイッターやミクシィではハンドルネームでも構いません。そして、各サイトの検索欄でメールアドレスや所属機関、出身学校などを頼りに知り合いを探せば、オンライン上で繋がる「友達」を増やせます。あとは自身のページ上で情報を発信すればよいのです。

 書き込む内容は「これから診療です」といったつぶやき程度のものから、日々の雑感、報道されているニュースに対する自分の意見など、何でも構いません。備忘録として使ってもいいと思います。

 書き込みと「友達」探しを続けていれば、徐々に書き込んだ内容に対して反響が返ってくるようになり、自分が情報を発信するだけでなく、「友達」からも情報が集まるようになるはずです。そうすれば、知人だけでなく、さらにその知人の友人と意見を交換する機会が生まれ、国内のみならず海外の人とも容易にやり取りすることができます。

 登録してみたものの、うまく使いこなせないと思えば、情報を更新せずに放っておいても大丈夫です。アカウントを作るのは無料なので、いつやめてもいいという感覚で気軽に始めてみてはどうでしょうか。

 登録は後回しにして、雰囲気を味わってみたい場合は、ツイッターやフェイスブックでは登録しなくても閲覧はできるので、他の人の使い方を見てみるのも手です。

Q2 プロフィルはどこまで記載すればいいですか?
A2 できれば実名、所属医療機関は記載した方がよいでしょう。
 目的にもよりますが、疾患に関する情報をやり取りしたり、医師として人と交流したい場合には、実名と所属機関を明記することをお勧めします。特に医療に関する情報を扱う場合は、多少なりとも個人情報が含まれるため、誰であるかが明らかでないとなかなか相手も信頼して情報を共有できないでしょう。匿名で登録できるツイッターやミクシィでも極力、実名と所属機関は公開しておきたいところです。

 肝臓疾患の啓発活動をしているはやさかクリニック(千葉県木更津市)院長の早坂章氏は、閲覧者に自身の発言を信頼してもらうために、名前や所属機関だけでなく、住所や連絡先といった情報も公開しているといいます(図15)。早坂氏は「たとえ、医師であることや所属機関を隠していても、実名が分かっていればすぐに検索されてしまいます。医院のウェブサイトなどで公開している程度の情報であれば、記載しても問題ないでしょう」と話しています。


図15 フェイスブック上のプロフィル画像(提供:早坂氏)
(*クリックすると拡大表示されます)

Q3 誹謗中傷を受けたとき、どう対処すればいいですか?
A3 非がある場合はすぐに謝罪を。非がない場合は「ブロック」機能で対応しましょう。
 自分に非がある書き込みがきっかけで、議論が炎上してしまった場合は、すぐに謝ることが重要です。しかし、自身に非はなく、突然誹謗中傷などを受けた場合は冷静に対処する必要があります。

 ツイッターには「ブロック」機能があり、実行すると相手からのフォローを解除し、その相手に書き込んだ内容を見られなくすることができます(図16)。さらに、その相手からは再びフォローをされないようになっています。フェイスブックでは、書き込みを「非表示」にする設定、ミクシィには公開範囲を定める機能があります。これらの対処をしても相手が誹謗中傷を続け、脅迫行為が悪化した場合は、弁護士や警察に相談しましょう。

 トラブルに巻き込まれないための工夫も重要です。日々の発言を信頼してもらうのが予防の一手。信頼される書き込みを続ければ、純粋にその情報を求める人が集まり、トラブルに巻き込まれるリスクも減るでしょう。


図16 ツイッターでの回避方法
(*クリックすると拡大表示されます)

Q4 患者情報はどこまで開示していいのでしょうか?
A4 特定の個人が識別できないよう、一定の処理が必要です。万一に備え、事前に患者の許可をとることが望ましいでしょう。
 厚生労働省は「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」で、個人情報とは「氏名、生年月日、その他の記述から特定の個人を識別することができるもの」と定義しています。

 また、匿名化とは「氏名、生年月日、住所等、個人を識別する情報を取り除くことで、特定の個人を識別できないようにすること」としています。

 症例写真などを掲載する場合には、個人が特定されない処理をして利用する必要があります(図17)。

 ただし、希少症例で患者名を隠しても個人が特定される可能性がある場合には、患者本人の同意をとることが必要です。

 これは、医師だけが閲覧できる設定にしている場合でも同じです。たとえ、承認制にしていても、ソーシャルメディアはあくまでネット上にあるサービスの一つです。誰が閲覧しているかは分からず、悪意を持った人もいることを念頭に入れて利用しましょう。


図17 症例写真を使ったグループの対話(提供:網木氏)
(*クリックすると拡大表示されます)

Q5 一般からの健康相談に答える必要はあるのでしょうか?
A5 オンライン上での診療は基本的にせず、来院を勧めるべきです。
 医師がツイッターなどで活動をしていると、健康相談を持ち掛ける患者も見受けられます。これに対し、医師が気軽に返答をすると、患者は診断してくれたと受け取り、過信してしまう可能性もあります。

 基本的には患者からの疾患や治療に対する相談は受けず、近医の受診や自院への来院を勧めましょう。

 ただ、このような相談をされることはごくまれだといいます。岡山済生会総合病院(岡山市)内科医長の川井治之氏は、昨年秋にソーシャルメディアを始め、300人以上の人とやり取りしているものの、相談が来たのはわずか3件でした。具体的には「喘息の発作が止まらず、診察を受けたところ、吸入ステロイドを処方されました。しかし、なかなか効果がなく、発作が止まりません。この治療は正しいのでしょうか?」と質問をされたそうです。

 これに対して川井氏は、一般論として喘息の原因となる喫煙やペットの毛などの環境改善を要することや、薬剤を強くする治療の追加などの必要があることを伝え、来院してほしい旨を伝えたといいます。

 患者から寄せられた相談に対して、症状などの詳しい情報が得られないからといって、何も答えないままでは印象を悪くしてしまう可能性があります。相談に答える際には、「あくまでお伝えするのは一般論であり、個別の診療ではない」という趣旨を事前に伝えるか、その旨をプロフィル欄などに記載しておくことをお勧めします。

2011.07.28  11:26am  

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